銀行で全盲者が単独で手続きを行う場合の障壁

振込や引き出しといった作業は、今や音声ガイドが備わったATMで全盲でも単独でできる時代だ。ネットバンキングも、音声読み上げソフト(スクリーンリーダー)を使用すれば、殆どの場合スムーズに振込手続きなどを完了させることができる。

 

ただし、口座開設などの手続きで、銀行窓口にいかないとできないようなケースは、まだまだ障壁がある。なぜならば、全盲者は紙に書かれている書類を自力で確認できない体。それに、自筆で署名をすることも困難な人が多い。クレジットカードのサインのように、署名ではなく、イニシャルや自分で決めた印を書くようなケースは特に問題ないのですが。

 

それで、どうするかというと銀行の行員さんに書いてもらう必要がある。単独だと、そこらへんの通りすがりのおじさんに重要なことを頼むわけにはいかない体。このようなルールについては、各銀行で定められており、代筆をする行員と、それを確認する行員、そして本人である全盲者が揃えば大抵の手続きはスムーズに行うことができる。

 

だがだが、驚くべきことに、このようなルールを知らない行員もいるので、少しやっかい。こちらから説明しなければならないし、ひどい場合だと「家族と一緒に来てください」と子供扱いされるケースも。一人暮らしをしている全盲者はいったいどうすればいいのだろうか。

 

だが、銀行では徐々にこのような変わったたいおうをする行員は少なくなってきているように思う。障害者に対する対応マニュアルの整備など、障害者差別禁止法の施行以来、何かと変化があるからかもしれない。